公園にて。
室内でのリハーサルスタートを目前に、夜の公園でのクリエーション。
昨年は5月の本番だった。今年はもう、蚊との戦いも始まっている。
しかし不思議なことに、広い公園のまん真ん中へ行くと蚊も飛んで来られないようで、張り切って炊いた蚊取り線香の香りは役割を失い、ただの夏の風物詩へと変わった。
剣、このお話の一つのキーワードのように思う。
幼かった頃、アケビ姫だった時。父が一人くらい部屋で見つめていた剣。
荒野で助けてくれた少年マヌーが一人黙々と振っていた剣。
吸い寄せられるようにロマニになったその女は剣を手に取った。
剣を振るシーンが2つある。
この日は初めてロマニが剣を動かし、そして日々を過ごしていく、そんなシーン。
昨年の振り付けからよりシーンに合うもの、ロマニであるもの、に進化させていく。
少し雲がかったグレーの広い空、演出家の顔色なんて見えないほどの暗闇と、遠くの街灯の少しの明かり。
とても自由で開放的な時間であった。なんだかすごくいい感じであった。
いい滑り出しだ、なんて思っていたらば、最後に演出家が一言。
前半のところは音にはめてきてね。
そりゃそうだ、そんな簡単なもんじゃない。
戦いは始まったばかりだ。
0コメント